慣行栽培(地域での一般的な栽培方法)では、「ジベレリン」は2回使用されます(「ジベ処理」と呼ばれています)。1回目は、無核化(種なし化)を目的としてぶどうの花がつぼみの時に、2回目は、肥大化(粒を大きく)を目的として実が小豆大ぐらいになってからです。また、「ジベレリン」使用の効果はもうひとつあって、使用すると熟期が早まります。このことを利用して出荷が一時期に集中しないようにする、という意図もあります。
「ジベレリン」の農薬としての使用方法は、ジベレリンの水溶液に、房を直接つけ込む、あるいは器具で直接噴霧します。
本来、受粉しないと結実しないのが植物の自然です。しかし、花が咲く時期に天候が不順だったりすると、自然なままでは十分に結実しないこともあり、このことが「想定しているぶどうの形にならない」、また「収量が安定しない」原因となります。ジベ処理をすると「受粉することなく実が大きく」なりますので、そういったことを回避できるというわけです。
そういった理由で、ぶどう栽培には「ジベ処理」は欠かせないというのが、一般の農家、ぶどう産業の常識となっていますし、また、現時点で「ジベレリン」が危険な農薬であるという情報もありません(もちろん正しい使用の範囲内で)。